電話加入権

電話加入権とは?無いと固定電話が利用できない?

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自宅や店舗などに固定電話を設置する際に問題になるのが、
「電話加入権が必要か否か」といったことです。

電話加入権が無いと固定電話が利用できないと言われることもあれば、
電話加入権なんて無くても固定電話は使えると言われることもあります。

物心ついた頃には実家に固定電話が既に使われていたので、
いざ自分が家を建てるお店を出す際に固定電話を設置するのに
電話加入権が必要なのかどうか分からないんですよね。

では、固定電話の利用に必要と言われたり不要と言われたりする電話加入権とは
そもそもどういったものなんでしょうか?

さらに固定電話を設置するのに電話加入権が必要なのか不要なのかについても、
詳しく見ていきたいと思います。

電話加入権とは何?

電話加入権とは何かと問われると、
簡単に言えば「NTTのアナログ電話を利用するための権利」といったところでしょうか。

遡ること100年以上前、日本で電話事業が開始されてから数年後の1897年に
「加入登記料制度」が発足、これが電話加入権の始まりと言われています。

今でこそ山奥から離島まで日本全国にNTTの電話回線が行き渡っていますが、
電話事業開始当初は当然十分なインフラ整備がされていませんでした。

当時はNTTのような民間企業ではなく、
「逓信省」や「運輸通信省」といった官庁が電話事業を行っていたんですね。

日本全国に電話網を整備するには莫大な費用が必要ですから、
いくら官営と言っても官庁の予算だけでは整備することができませんでした。

そこで、電話を利用したい人から電話網を整備するための費用を
一部徴収する代わりに、電話を利用する権利を与えたというわけです。

現在では電話網の整備が完了しているので、
将来的には電話加入権の廃止も検討されています。

電話加入権は譲渡や承継できる

現在電話加入権を取得するには、
固定電話設置時に36,000円の施設設置負担金を支払わないといけません。

電話加入権はお金を払って取得した権利ですから、一応「財産」であり、
譲渡したり承継したりすることができるようになっています。

承継は親族だけですが、
譲渡については血縁関係や姻戚関係の無い第三者でもOKです。

また結婚や離婚、養子縁組などで氏名が変わった場合には、
電話加入権の名義変更(改称)もできます。

電話加入権を譲渡することは名義人本人でないとできませんから、
親から相続する場合や名前が変わった場合はちゃんと手続きしておきましょう。

ちなみに承継と改称の手続きには手数料がかかりませんが、
譲渡の手続きには800円の手数料がかかります。

利用停止や一時中断で電話加入権をNTTに預けることも可能

固定電話が不要になると、通常は解約して電話加入権をNTTに返すことになります。

しかし、今は不要だけど何年かしたらまた必要になるかもしれないなどといった
場合には、使わない電話加入権をNTTに預けておくことも可能なんです。

電話加入権をNTTに預けるには
 ・利用休止
 ・一時中断
の2つの方法があります。

どちらも電話加入権を預けることには変わりないんですが、預けられる期間と
預かってもらっている間の料金、再開時の電話番号の扱いが違っています。

利用休止では電話加入権を預かってもらっている間は料金が発生しませんが、
NTT東日本の場合は預けられる期間は5年間となっています。
(NTT西日本は無期限)

5年経過時に特に手続きをしなければ、さらに5年間預かってもらえますが、
最初の利用休止から10年経過した段階で電話加入権は自動的に失効してしまいます。

5年ごとに更新の手続きを行っておけば、自動的に失効することはなく、
何年でも電話加入権を預かってもらうことができます。

一方「一時中断」の場合は、NTT東日本でもNTT西日本でも預けられる期間は
無制限ですが、預かってもらっている間の料金は発生します。

また利用休止では再開時に電話番号が変わってしまいますが、
一時中断では再開時に一時中断前と同じ電話番号を使うことができます。

ただしひかり電話などに乗り換えた際に、番号ポータビリティーで電話番号を
引き継いでいれば、利用休止でも再開時に同じ電話番号を使うことは可能です。

例えばアナログ電話からひかり電話に乗り換える際に、
不要になる電話加入権を利用休止でNTTに預けるとします。

そして再度ひかり電話からアナログ電話に切り替える時、普通なら利用休止を
解除してアナログ電話を利用再開すると電話番号は変わってしまいます。

ところがひかり電話に乗り換えた際に番号ポータビリティーで電話番号を
引き継いでおけば、アナログ電話に戻す時に再度番号ポータビリティーで電話番号を
移すことで利用休止を解除しても電話番号が変わらないんですね。

固定電話の利用に電話加入権は必要ない?

固定電話の選択肢がNTTのアナログ電話しかない時代は、
固定電話の利用と電話加入権はセットでした。

NTTのアナログ電話以外の固定電話の選択肢が登場してからも、
2002年までは電話加入権を取得しないとNTTのアナログ電話を利用することは
できなかったんですね。

現在ではどうかと言うと、NTTのアナログ電話以外はもちろんのこと、
NTTのアナログ電話も電話加入権無しで利用することが可能となっています。

NTTのアナログ電話には
 ・加入電話
 ・ライトプラン
という2つのプランがあります。

この内「加入電話」は施設設置負担金を払って電話加入権を取得しますが、
ライトプランでは施設設置負担金を払いませんし電話加入権も取得しません。

今でも基本的にはNTTのアナログ電話を利用するには電話加入権が必要なんですが、
ライトプランではNTTから電話加入権を借りてアナログ電話を利用することに
なるんですね。

ですから、電話加入権のレンタル料というわけでもないんでしょうが、
加入電話に比べてライトプランは基本料金が月250円高い設定となっています。

ライトプランは基本料金が高いだけで、加入電話より通話品質が悪い、通話料が高い、
通話時間が制限されるなどといったことはありません。

直収電話やひかり電話も電話加入権不要

NTTのアナログ電話以外を自宅や店舗などの固定電話として利用する場合も、
電話加入権は不要となります。

例えばソフトバンクのおとくラインなどの「直収電話」や光回線のオプションサービス
である「ひかり電話」などは電話加入権無しで設置することができます。

直収電話やひかり電話は、
加入電話やライトプランよりも基本料金も通話料も安い設定となっています。

ですから初期費用だけでなく毎月の利用料金も安く抑えたいのであれば、
NTTのアナログ電話ではなく直収電話やひかり電話を固定電話として使った方が
良いんですね。

電話加入権は売買できる

先に電話加入権は血縁関係や姻戚関係の無い第三者に譲渡できると書きましたが、
金銭を伴った売買も可能なんです。

実際にネットで探せば、
電話加入権を売買している業者を簡単に見つけることができます。

こうした業者に依頼すれば、不要になった電話加入権を買い取ってもらえますし、
中古の電話加入権を通常よりも大幅に安い価格で売ってもらえます。

電話加入権の価値が高かった頃は、固定電話解約時にNTTが有償で電話加入権を
引き取ってくれたこともあったようです。

現在でもNTTは電話加入権を引き取ってくれますが無償なので、
不要になった電話加入権をお金に変えるなら業者に買い取ってもらうしかありません。

施設設置負担金が72,000円の頃は、
電話加入権も数万円で買い取ってもらうこともできました。

しかし現在は施設設置負担金が36,000円と値下がりした上に、
ライトプランで施設設置負担金無しでNTTのアナログ電話が使えるようになったことで、
電話加入権の価格は大きく値崩れしています。

また固定電話を利用しない家庭も増えていることから電話加入権が余っており、
いくら高額買取でもせいぜい1,500~2,000円程度だと思われます。

中古の電話加入権を購入すれば固定電話設置の初期費用が安くなる

これから自宅や店舗などに新規で固定電話を設置する場合には、
業者から中古の電話加入権を購入するのも1つの方法です。

通常だと電話加入権を取得するには36,000円の施設設置負担金を払わないと
いけませんが、中古の電話加入権を購入すれば3,000~5,000円程度で済みます。

どうしてもNTTのアナログ電話を設置したいのであれば、ライトプランよりも
中古の電話加入権を購入した方が結果的には費用を抑えることになりますよ。

ただ近い将来電話加入権が廃止される可能性も高いですし、わざわざ中古を
購入してまで電話加入権の取得にこだわる必要は無いと思いますが・・・。

債務付の電話加入権が売られていることもあるので要注意

時折、ネットオークションや金券ショップなどで格安の電話加入権が
出品・販売されていることがあります。

ちゃんとした業者から購入するなら問題ありませんが、
ネットオークションなどで電話加入権を購入するのは大きなリスクが伴います。

例えば電話料金を滞納したままの電話加入権や、
借金の担保となっている電話加入権が出品・販売されている可能性があります。

ちゃんとした業者はこうした債務の付いた電話加入権は買い取りませんが、
金券ショップなど電話加入権の取り扱いに慣れていない業者だと債務付でも
買い取ってしまうことがあるんですね。

債務付の電話加入権を購入することで、
滞納した料金の支払いや借金の返済を迫る電話がかかってくるようになります。

場合によっては債務ごと買い取ったと見なされて、
お金を支払わざるをえなくなることも無いとは言えません。

固定電話設置の初期費用を抑えるために中古の電話加入権を購入するのは
良いですが、「電気通信事業」の届け出や「古物商」の許可などを受けている
ちゃんとした業者で購入するようにしましょう。

電話加入権って費用として計上できる?

新規で電話加入権を取得するには36,000円かかりますから、
個人事業主や法人だと費用として計上したいところですよね。

電話加入権はNTTのアナログ電話を使う権利ですから、
会計上は「無形固定資産」となります。

無形固定資産も減価償却することで、
建物などの有形固定資産と同じように会計上の費用とすることが可能です。

ただ同じ無形固定資産でも
 ・特許権
 ・借地権
 ・営業権
 ・ソフトウェア
などは減価償却できますが、電話加入権は減価償却することができません。

無形固定資産の費用化には「減損処理」する方法もありますが、
単独でキャッシュフローを生まないので、電話加入権を減損処理するのは
かなり難しいですね。

また電話加入権は、災害や用途、遊休状態などによって価値が下がることが
ありませんから、電話加入権を税務上の「損金」として算入することも難しいと思います。

どうしても電話加入権を費用として計上したいのであれば、
公認会計士や税理士に相談した方が良いですね。

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