固定電話

固定電話を設置するのに電話加入権は必要?

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進学や就職で新しく一人暮らしを始める、あるいは脱サラしてお店や事務所を
開業するなどで、固定電話の開通を検討している場合もあると思います。

固定電話を自宅や店舗などに開通させるのは良いとして、気になるのが固定電話の
利用には「電話加入権」なるものが必要と言われることじゃないでしょうか。

そこで自宅などで固定電話を利用する際に電話加入権が必要なのかどうかについて、
詳しく見ていきたいと思います。

そもそも電話加入権とは何なのか、電話加入権の有る無しで固定電話の利用に
どういった影響があるのかについても簡単にですが説明しますよ。

固定電話を利用するのに「電話加入権」って必要?

冒頭でも書いたように固定電話の開通には電話加入権が必要と言われていますが、
結論から言うとこれは勘違いです。

確かに以前には電話加入権が無いと固定電話が開通できない時期もあったようですが、
現在では電話加入権が無くても固定電話を開通することはできます。

NTTの固定電話サービスには
 ・加入電話
 ・ライトプラン
の2つがあり、「ライトプラン」を選ぶことで電話加入権無しでも
固定電話を開通させることができるんですね。

光回線やスマホなどの料金プランのイメージで、
ライトプランだと通話品質が悪かったり通話料が高そうな感じがするかもしれません。

しかしNTTの固定電話サービスの加入電話とライトプランで、
通話品質や通話料に違いはありません。

ただライトプランは、固定電話開通の際に「施設設置負担金」36,000円が
不要な代わりに毎月の基本料金が加入電話よりも割高になっています。

加入電話の基本料金が
 ・事務用・・・2,300~2,500円
 ・住宅用・・・1,450~1,700円
なのに対して、ライトプランの基本料金は
 ・事務用・・・2,550~2,750円
 ・住宅用・・・1,700~1,950円
と月250円高く設定されています。

年間で3,000円の違いですから、12年以上継続して固定電話を利用するのであれば
37,800円の初期費用がかかったとしても加入電話を利用する方がお得です。

ひかり電話や直収電話も加入権不要

電話加入権無しで固定電話を利用する方法は、ライトプランだけではありません。

光回線のオプションである「ひかり電話」やNTT以外の固定電話サービスである
「直収電話」を固定電話として利用する場合も、電話加入権は不要です。

ちなみに現在利用できる主な直収電話は
 ・KDDI・・・ケーブルプラス電話
 ・J:COM・・・J:COM PHONEプラス
 ・ソフトバンク・・・おとくライン
などです。

ひかり電話や直収電話は、
NTTの固定電話サービスに比べて基本料金や通話料が安く設定されています。

ライトプランだと施設設置負担金が不要な代わりに基本料金が高くなりますが、
ひかり電話や直収電話だとそういったデメリットも無いんですね。

ただひかり電話や直収電話には、一部利用できない電話番号があったり、
詳しくは後述しますが番号ポータビリティーによる電話番号の引き継ぎができない
恐れがあるなどの弱点があります。

番号ポータビリティーの件はともかく、一部利用できない電話番号があるというのは
元々利用する機会があまり無い電話番号なのでほとんど気にする必要はありません。

電話加入権ってそもそも何?

固定電話の利用に電話加入権が要る要らないということを聞いたことがあっても、
電話加入権そのものについて詳しく知らないという場合も多いと思います。

電話加入権は、先にも書いたように、固定電話を開通させる際に37,800円の
施設設置負担金を支払うことで取得することができます。

今でこそ日本全国どこでもNTTの固定電話回線が利用できますが、
一般的に固定電話が普及し始めた1950年代はNTTの前身である電電公社が
電信柱や電話線といったインフラ整備をしている真っ最中でした。

電電公社の自己資金によるインフラ整備では固定電話の利用者増加に
対応しきれないので、開通希望者に施設設置負担金を払ってもらうことで
インフラ整備を進めていったんですね。

施設設置負担金の金額は、1960年代に10,000円から30,000円、
1970年代に50,000円から80,000円とアップしていき、電電公社が民営化されて
NTTになった1985年に72,000円となります。

その後携帯電話が一般的に普及した2005年に37,800円に改定され、
NTTの固定電話網のインフラ整備がほぼ完了した現在では施設設置負担金の廃止も
検討されています。

ですから、電電公社が固定電話サービスを独占していた頃は、施設設置負担金を
払って電話加入権を取得しないと固定電話が利用できませんでした。

しかし現在のKDDIの前身である第二電電(DDI)などが誕生して
電電公社(NTT)の独占が崩れたことで、電話加入権が無くても固定電話が
利用できるようになったんですね。

電話加入権は譲渡・承継・改称が可能

固定電話を利用しないので不要になった場合などには、
電話加入権を誰かに譲渡することができます。

施設設置負担金が80,000円72,000円だった時代は電話加入権も1つの財産で、
高値で売却することもできました。

なので現在40代以上の人は、親から「お金に困ったら電話加入権を売ったらいい」
と言われたことがある人も多いんじゃないでしょうか。

現在でも電話加入権の売買はできますが、先にも書いたように電話加入権無しで
固定電話が利用できるようになっており、売るとしても正直「二束三文」だと思います。

実際電話加入権の売買を行っているサイトでは電話加入権が3,000円ほどで
購入できるので、売却する場合の値段は推して知るべしですね。

電話加入権の譲渡にお金が発生するしないに関係無く、
譲渡の手続き費用として800円の手数料がかかります。

亡くなった親族の電話加入権を相続する場合には「承継」、
結婚・離婚・養子縁組などで氏名が変わった場合には電話加入権の「改称」も可能です。

譲渡には手数料が発生しますが、承継や解消には手数料はかかりません。

電話加入権を一時的に停止することもできる

現状は不要だけど将来的に必要となることがあるかもしれないという場合には、
電話加入権の効力を一時的に停止させることもできます。

電話加入権を一時的に停止させるのは、
固定電話をひかり電話に切り替える場合が一般的です。

中には、将来的に実家に戻ることを想定して、親が亡くなった際に実家の固定電話を
解約してしまわずに電話加入権を停止するといったこともあります。

電話加入権の停止には
 ・利用休止
 ・一時中断
の2つがあり、それぞれ継続期間や停止中の料金、
再利用時の電話番号の取り扱いが違っています。

「利用休止」の場合、NTT西日本は無期限で電話加入権を預かってくれますが、
NTT東日本では5年ごとの更新となっています。

NTT東日本管内で電話加入権を利用休止して最初の5年経過時には、
特に何の手続きもしなくても自動更新でもう5年間電話加入権を預かってくれます。

しかし最初の利用休止手続きから10年経過時に更新手続きを行わないと、
その時点で解約となり電話加入権は消滅してしまいます。

ただ5年ごとに利用休止の更新手続きを行っている限りは、解約扱いとなることはなく、
NTT東日本が電話加入権を預かり続けてくれます。

利用休止では電話加入権が停止している間は料金は発生しませんが、
再利用時には電話番号が変わってしまいます。

ただしひかり電話から「番号ポータビリティー」でNTTの固定電話に電話番号を
引き継ぐのであれば、電話加入権の再利用時でも同じ電話番号を使うことはできます。

一方「一時中断」の場合は、NTT東日本でもNTT西日本でも特に更新手続きなどを
しなくても無期限で電話加入権を預かってもらえます。

また一時中断では電話加入権を再利用する場合にも電話番号が変わらないんですが、
電話加入権を預かってもらっている間も料金が発生してしまいます。

「アナログ戻し」に電話加入権は必要?

電話加入権でもう1つ勘違いされていることは、
「アナログ戻しをするには電話加入権が必要」ということです。

「アナログ戻し」は、光回線のオプションであるひかり電話を
NTTのアナログ電話に戻す手続きのことです。

ひかり電話とアナログ電話では相互に可能なものの、ひかり電話同士では
番号ポータビリティーで直接電話番号を引き継ぐことが以前はできませんでした。

そのため光回線を乗り換える際には、ひかり電話を一旦アナログ電話に戻しておき、
光回線乗り換え後に再度アナログ電話からひかり電話に切り替えることで、
ひかり電話の電話番号を引き継いでいたんですね。

このアナログ戻しの手続きを行うのに、
電話加入権が必要だと勘違いされているわけです。

電話加入権無しのライトプランから番号ポータビリティでひかり電話に電話番号を
引き継いでいる場合でも、再度電話加入権無しのライトプランに戻すことが可能です。

ただし同じ電話加入権無しでも、直収電話からひかり電話に切り替えた場合や
固定電話からひかり電話に番号ポータビリティーで電話番号を引き継いでいない
場合はアナログ戻しができません。

アナログ戻しができるのは「NTTがアナログ電話用に発行した電話番号」を使っている
場合のみで、NTT以外が発行したアナログ電話用の番号やひかり電話用に
発行された電話番号ではアナログ戻しはできないんですね。

光回線乗り換えでアナログ戻しが必要になるケースがほとんど無い

以前はひかり電話同士で電話番号を引き継ぐのにアナログ戻しが必要でしたが、
現在はひかり電話同士でも番号ポータビリティーで電話番号を引き継ぐことが
可能となっています。

なので光回線を乗り換える際に、アナログ戻しをしないと
ひかり電話が変わってしまうといったことはほとんどありません。

ただ番号ポータビリティーもアナログ戻しと同じで、
「NTTがアナログ電話用に発行した電話番号」でないと基本的に利用できません。

ですからひかり電話で直収電話用やひかり電話用に発行された電話番号を
使っている場合は、光回線乗り換えで電話番号を引き継ぐ手段が無いわけです。

ここまでならまだ分かりやすいんですが、
ひかり電話の電話番号引き継ぎには例外もあるので非常に面倒です。

フレッツ光から光コラボへの「転用」、光コラボから別の光コラボやフレッツ光への
「事業者変更」では、例外的に直収電話用やひかり電話用の電話番号でも
番号ポータビリティーによる電話の引き継ぎが可能です。

ところがソフトバンク光の「ホワイト光電話」など光コラボ事業者が独自に提供している
ひかり電話サービスを利用している場合は、NTTがアナログ電話用に発行した
電話番号しか番号ポータビリティーでの電話番号引き継ぎができません。

このようにひかり電話の電話番号引き継ぎは条件が非常にややこしいですから、
光回線を乗り換える際は事前にNTTにひかり電話の電話番号引き継ぎが
可能かどうか確認した方が良いですよ。

NTT以外の光回線事業者やプロバイダでは、
ひかり電話の電話番号引き継ぎ条件を完全に把握していないこともあって
間違った情報を教えられる恐れがあるので、電話のことはNTTに聞きましょう。

電話加入権は経費として計上できない?

電話加入権の取得には決して安くない施設設置負担金の支払いが必要です。

なので店舗や事務所で固定電話を利用する場合は、
施設設置負担金を経費として計上したいところですよね。

電話加入権は電話を利用する権利ですから、
会計処理する際には「無形固定資産」となります。

ただ同じ無形固定資産でも特許権や営業権などとは違って、
電話加入権は減価償却による費用化することができないんです。

会計上の減損処理をすることも可能ですが、
余程の会計処理に関する知識が無いと難しいです。

また税務上の損金算入もかなり難しいですから、基本的に電話加入権にかかる
施設設置負担金は経費として計上できないと考えた方が良いかもしれないですね。

どうしても電話加入権を経費として計上したい場合は、
税理士や公認会計士に相談しましょう。

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