お店の開業

お店を開くには調理師免許不要だが必要な資格はある

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「調理師免許が無いと飲食店が開けない」と思っていませんか?

飲食店に限らずパン屋さんや洋菓子店など食品を製造販売するお店でも、
調理師免許を持った人が働いていることはあります。

しかしお店を開くのに調理師免許は必要ではなく、
世の中には調理師免許を持っていなくても飲食店を経営している人はたくさん居ます。

だからと言って何の資格も無しですぐにお店が開けると言うことは無くて、
飲食店などのお店を開く際に必要な資格もあるんです。

また保健所や消防署など関係各所に申請や届けも提出しなければなりません。

そこでお店を開くのに必要な資格と、どこにどんな申請や届けをいつまでに
提出しないいけないのかをまとめてみたいと思います。

お店を開くのに必要な資格は2つ

飲食店などのお店を開くのに必要な資格は
 ・食品衛生責任者
 ・防火管理者
の2つです。

「食品衛生責任者」は、飲食店だけでなくお客さんに食品を提供したり販売したりする
お店を開く際には必要です。

製造販売する食品の衛生管理はもちろん、
店舗や厨房などの設備の衛生管理を行うことを目的とした資格となります。

食品衛生責任者は各都道府県の条例を基にした公的資格ですが、
「防火管理者」の方は消防法という国の法律を基にした国家資格です。

防火管理者は、店舗など防火対象物の防火・予防・消防などを行うことを目的とした
資格となっています。

食品衛生責任者はどうしたら取れる?

自動車の運転免許は、合宿だと2週間程度ですが、
自動車学校に通うと取得まで数か月はかかります。

調理師免許も専門学校に1~2年通わないと取れませんから、
食品衛生責任者や防火責任者も取得に結構な時間がかかりそうですよね。

しかし食品衛生責任者は1日、
国家資格である防火責任者も最大2日講習を受けるだけで取得可能です。

まず食品衛生責任者は、全国の「食品衛生協会」が実施している
「食品衛生責任者養成講習会」に参加することで取得できます。

講習会は
 ・衛星法規・・・2時間
 ・公衆衛生学・・・1時間
 ・食品衛生学・・・3時間
の合計6時間となっています。

講習会の内容は全国で標準化されているので、
どこで取得した食品衛生責任者の資格でも全国で使えます。

受講後に一応試験もありますが、非常に丁寧に講習を行ってくれるので、
話をちゃんと聞いてさえいれば不合格になることはほとんど無いです。

受講料は、各都道府県の食品衛生協会によって多少の違いはあるようですが、
テキスト代込みで10,000円ほどといったところです。

当日会場で受講料を払うことになるので、お金も忘れずに持って行きましょう。
(振込などによる支払いは受け付けていない)

「17歳以上で高校生不可」など受講要件が各都道府県の食品衛生協会によって
違うこともあるので、受講前にしっかり確認しておかないといけませんよ。

調理師免許があれば食品衛生責任者の資格は不要

食品衛生責任者の資格は飲食店開業に必須なんですが、特定の資格などを
持っている場合には食品衛生責任者の資格は不要となることがあります。

例えば
 ・調理師
 ・栄養士、管理栄養士
 ・ふぐ調理師
などの資格を持っている場合は、既に食品衛生に関する知識を有しているということで、
飲食店を開業する際に食品衛生責任者の資格を必要としません。

それ以外にも
 ・医師
 ・歯科医師
 ・薬剤師
 ・獣医師
さらに大学で
 ・医学
 ・歯学
 ・薬学
 ・獣医学
 ・畜産学
 ・水産学
 ・農芸化学
の課程を修了している場合も食品衛生責任者と同等以上の資格を有していると
見なされます。

また食品衛生責任者の上位資格で国家資格でもある「食品衛生管理者」の資格を
持っている場合も食品衛生責任者の取得は不要となります。

防火管理者を取得するには

消防法で多人数が出入・勤務・居住する建物では
防火管理者を任命するように定められており、
その防火管理者に任命される必要なのが「防火管理者」の資格なんですね。

防火管理者は国家資格ではありますが、「日本防火・防災協会」という団体が実施する
「防火管理講習」を受講することで取得できます。

防火管理講習には
 ・甲種新規
 ・甲種再講習
 ・乙種
の3種類があり、お店の規模によって受講する講習が変わってきます。

お店の延べ面積が300㎡以上の場合は「甲種」が必要で、
延べ面積が300㎡未満であれば「乙種」となります。

ちなみに「甲種再講習」は、収容人数300人以上など特定の建物で防火管理者を
務める場合になどに甲種取得者が受講する講習です。

300㎡は約90坪で相当な広さですから、
カフェなどの飲食店であれば甲種までは必要なく乙種で十分ですね。

講習時間と受講料は
 ・甲種新規・・・10時間(2日間) 7,500円
 ・甲種再講習・・・2時間(半日) 6,500円
 ・乙種・・・5時間(1日) 6,500円
となっています。

食品衛生責任者の受講料は当日会場での支払いですが、
防火管理者の受講料は振込で前もって払っておかないといけません。

防火管理者の資格は建物の防火管理者に任命されてから
1年以内に取得すれば良いので、お店を開くまでに取る必要はないんですね。

防火管理者の資格が不要な場合も

食品衛生責任者の資格と同様に、防火管理に関する知識を既に有していると見なされる場合には防火管理者の資格が無くても建物の防火管理者を務めることができます。

例えば
 ・防火対象物点検資格者
 ・甲種危険物取扱者(消防法の規定による危険物保安監督者に選任される必要あり)
の資格を持っている場合には、防火管理者の資格は不要です。

また
 ・国または都道府県の消防事務に従事、1年以上管理的、監督的役職を務めた
 ・警察官または警察職員で、3年以上管理的、監督的役職を務めた
 ・建築主事または一級建築士で、1年以上の防火管理の実務経験を有する
 ・市町村の消防団員で、3年以上班長以上の階級にあった
などの場合も防火管理者の資格と同等以上の資格を有していると見なされます。

大学・短大・高校で総務大臣の定める防火に関する過程を修了し、
1年以上防火管理の実務経験を有している場合も防火管理者の資格は要りません。

それから建物の収容人数が30人に満たない場合には、
そもそも防火管理者を任命する必要がありません。

ですからカウンターのみで10人も入れば一杯というようなお店の場合は、
防火管理者の資格を持っていなくても問題無いんですね。

必要じゃないけど持っていると便利な資格

飲食店などのお店を開く上で調理師免許は必要ではありませんが、
持っていればメニュー開発の幅が広がるなど便利ですよね。

調理師免許以外にも、
お店を開くのに必要じゃないけど持っていると便利という資格があります。

それが「簿記」の資格です。

お店を開いて個人事業主になると、確定申告の際に「青色申告」が可能となります。

青色申告は、サラリーマンなどの「白色申告」に比べて控除額が大きかったり
経費として認められるものが多かったりなど、税制面で大きな優遇が受けられます。

なのでお店を経営する以上は青色申告をしたいところですが、
青色申告をするには「複式簿記」での収支管理が必要です。

簿記の知識が全く無ければ複式簿記がどういうものなのかすら分かりませんから、
個人事業主は簿記の資格を持っておくに越したことはありませんよ。

簿記の資格検定を行っているのは
 ・日本商工会議所(日商)
 ・全国経理教育協会(全経)
 ・全国商業高等学校協会(全商)
 ・日本ビジネス技能検定協会(日ビ)
の4団体です。

特にどの団体の資格が良いということはありませんが、
どうせなら3級以上は持っておきたいところですね。

ただ食品衛生責任者や防災管理者のように、
簿記の資格は1~2日の講習会を受講するだけでは取れません。

専門学校に通ったとしても合格ラインに達するには
3か月ぐらいかかるとも言われているので、持っていれば便利かもしれませんが
無理して取る必要は無いと思います。

お店を開くのに必要な申請や届けとは

飲食店などのお店を開くのに、食品衛生責任者などの資格だけでなく、
関係各所への申請や届けの提出も必要です。

飲食店の場合であれば、まず保健所に「営業許可」の申請を行わないといけません。

一口に「飲食店の営業許可」と言っても
 ・飲食店営業
 ・喫茶店営業
 ・菓子製造業
 ・アイスクリーム類製造業
 ・乳製品製造業
 ・氷雪販売業
 ・氷雪製造業
などなど細かく分かれています。

「喫茶店営業」だと飲料しか提供できなかったりするので、お茶うけとなる軽食や
食事メニューを提供するなら喫茶店でも「飲食店営業」の許可が必要です。

お店でどういったメニューを提供するのかで必要な営業許可が違いますから、
細かいところは保健所に訪ねてみるのが確実ですね。

営業許可の申請には
 ・営業許可申請書
 ・店舗や厨房の図面
 ・店舗周辺の地図
 ・食品衛生責任者設置届
 ・食品衛生責任者の証明書
などの書類に加えて、15,000~20,000円ほどの申請料も必要となります。

さらに法人として申請する場合には「登記事項証明書」、店舗で使う水を貯水槽や
井戸から引く場合は「水質検査報告書」も提出しないといけません。

店舗の内装工事が終了する10日前までに申請し、
その後保健所職員による立ち入り検査が行われて営業許可証が交付されます。
(立ち入り検査の結果、許可が下りないことも)

保健所の次は消防署

保健所から飲食店としての営業許可が下りたら、
今度は管轄の消防署への届出を行います。

消防署へ提出が必要なのは
 ・防火管理者選任届
 ・防火対象物使用開始届
 ・火を使用する設備等の設置届
です。

「防火管理者選任届」はお店がオープンする日までに提出すれば良く、
建物の収容人数が30人未満の場合は提出しなくても大丈夫です。

「防火対象物使用開始届」は
 ・防火対象物使用開始届出書
 ・店舗近隣の地図
 ・店舗の平面図、立体図、断面図
 ・建物の仕上表
などを揃えて、オープン7日前までに提出しないといけません。

店舗の内装を請け負った工事業者が代わりに提出することもできるので、
内装工事を行う際は事前に工事業者にお願いしておくのも良いかもしれないですね。
(1つ手間が省けますし)

「火を使用する設備等の設置届」は、店舗で
 ・ボイラーまたは70キロワットを超える給湯設備
 ・合計350キロワットを超える厨房設備
などを使用する場合に提出が必要です。(設備の設置前)

IHコンロを使用する場合は火を使わないので、この届出は必要ありません。

税務署や労基署などへの届出も忘れずに

個人事業主として青色申告をする場合には、開業から1か月以内に
「個人事業の開廃業等届出書」を税務署に提出しておきましょう。

この届出をしていないと個人事業主であっても白色申告になってしまいます。

白色申告で良いという場合は届出をしなくても良いですが、
届出をしておけば青色・白色どちらでも申告できますよ。

もし自宅と店舗で管轄の税務署が違う場合は、どちらの税務署でもOKです。
(納税先が変わるだけ)

正社員・アルバイトに関わらず従業員を雇うのであれば、
労働基準監督署で「労災保険」、公共職業安定所(ハローワーク)で「雇用保険」にも
加入しておきましょう。
(いずれも従業員を雇った翌日から10日以内)

それ以外にも、夜12時以降にアルコール類をお客さんに提供するなら
「深夜酒類提供飲食店営業開始届出書」、従業員がお客さんの隣に座って
接待するなら「風俗営業許可申請」なども必要となります。
(いずれも管轄の警察署へ提出)

お店を開くのに必要な資格はそれほど多くありませんが、
必要な申請や届出は結構多いですよね。

1つ欠けただけでも営業ができなかったり、
何らかの罰則を受ける恐れがありますから、漏れの内容に申請・届出をしましょう。

開業の準備が忙しくて保健所などへの申請が自分でできない、
あるいはやることが多すぎて面倒という場合もあると思います。

こうした申請や届出は弁護士や司法書士に代行してもらうことができるので、
多少お金はかかりますが、申請や届出に手が回らない場合は代行をお願いするのも
1つの手ですよ。

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