喫茶店開業

喫茶店を開業するのに資格なんて要るの!?

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バブル期に定年を迎えた世代の人は、
年金だけで老後を悠々自適に過ごすこともできました。

ところが最近はその年金も当てにならないので、退職後は喫茶店でも開いて
老後の生活費の足しにしようと考えている人も結構居るんじゃないでしょうか。

私自身脱サラして飲食店を経営していますが、実際に飲食店を開業したことが無い
人は「喫茶店ぐらいなら自分でもできそう」と簡単に考えてしまいがちです。

開業後にまず経営を軌道に乗せることが大変なんですが、
それ以前に開業するのですら簡単じゃありません。

知らない人も多いかもしれませんが、喫茶店を開業するには様々な資格が必要ですし、
開業時には各関係機関に様々な届けを出さないといけないんです。

そこで喫茶店開業に必要な資格と届出について詳しく見ていきたいと思います。

この資格が無いと喫茶店は開業できない

喫茶店に限らず飲食店を開業する際には
 ・食品衛生責任者
 ・防火管理者
の2つの資格が必要となります。

喫茶店のような食品を製造・提供する事業所では、
食品の衛生管理を行う「食品衛生責任者」が1人以上必ず居なければいけません。

経営者や従業員の中に1人も食品衛生責任者の資格を持っている人が居なければ、
保健所から営業許可が下りないんですね。

「資格」と言うとある程度の期間勉強して試験を受けてというイメージも強いですが、
食品衛生責任者の資格は比較的簡単に取得可能です。

全国にある食品衛生協会という団体が行っている
「食品衛生責任者養成講習」を受けることで取得することができます。

講習は
 ・衛星法規(2時間)
 ・公衆衛生学(1時間)
 ・食品衛生学(3時間)
の計6時間で、1日受講するだけでOKです。

最後に資格取得のためのテストが行われますが、講習は非常に丁寧に行われるので、
話をちゃんと聞いてさえいれば不合格になる心配はありませんよ。

受講料は10,000円前後で、
振込や書留などではなく受講日当日に会場で支払う形になっています。

申込方法は郵送か窓口ということが多く、ネットでの申し込みは受け付けていないことが
ほとんどなので、ギリギリにならないよう日数に余裕をもって申し込むようにしましょう。

基本的に誰でも取れる資格ですから、
喫茶店の開業を具体的に計画する前に取っておいても良いかもしれませんね。

ただし東京都(17歳以上、高校生不可)のように年齢などに制限が
設けられている場合もあるので、受講前に資格要件は確認してください。

ちなみに
 ・管理栄養士
 ・調理師
の資格を持っている場合は、すでに食品衛生に関する知識を有しているので改めて
食品衛生責任者の資格を取る必要はありません。

また医師や薬剤師などの資格を持っている場合や、大学で医学や薬学などの課程を
修了している場合も同様に食品衛生責任者の資格は不要です。

防火管理者の資格

次に「防火管理者」ですが、
多人数が出入・勤務・居住する建物では火災予防のための業務を計画・推進する
責任者を置かなければならないことが消防法によって定められています。

喫茶店の場合はお客さんが頻繁に出入りしますし、お店によってはそれなりの数の
従業員が居ることもあるので、防火管理者の設置が必要なんですね。

「日本防火・防災協会」という団体が行っている「防火管理講習」を受講することで、
防火管理者の資格を取得することができます。

防火管理講習には「甲種新規」「甲種再講習」「乙種」の3種類があり、
講習時間はそれぞれ
 ・甲種新規・・・10時間(2日間)
 ・甲種再講習・・・2時間(半日)
 ・乙種・・・5時間(1日)
となっています。

受講料は
 ・甲種新規・・・7,500円
 ・甲種再講習・・・6,500円
 ・乙種・・・6,500円
で、食品衛生責任者の場合と違って振込で受講前に払っておかないといけません。

開業する喫茶店の延べ面積が300㎡以上の場合は甲種が必要で、
300㎡未満の場合は乙種でOKです。

防火管理者の資格は、建物の防火管理者として指名されてから1年以内に
取得すれば良いので、喫茶店開業後に取得することもできますよ。
(前もって取っておいた方が良いですが)

また建物全体の収容人数が30人未満の場合は、
防火管理者を置かなくても良いので資格を取る必要もありません。

それから食品衛生責任者と同様に、一定以上の防火管理知識を有していると
認められた場合は資格を取らなくても防火管理者となることができます。

例えば
 ・消防職員で、1年以上管理的監督的な役職に付いている場合
 ・警察官で、3年以上管理的監督的役職に付いている場合
 ・建築主事又は一級建築士で、1年以上防火管理の実務経験がある場合
 ・市町村の消防団員で、3年以上管理的監督的役職に付いている場合
などです。

簿記や調理師の資格もあると便利

喫茶店開業に必要というわけではありませんが、
 ・簿記
 ・調理師
といった資格もあると便利ですよ。

サラリーマンなら収支の計算や税金の申告などは経理の人がしてくれますが、
喫茶店を開業して「一国一城の主」となるとそれらは全て自分で行わないといけません。

喫茶店開業で個人事業主となったからには、
税制面で多大な優遇が受けられる「青色申告」をしたいところです。

青色申告するには複式簿記での収支管理が必要ですが、
素人がやれと言われていきなりできるものではありません。

そこで、できれば簿記3級ぐらいは持っておきたいところですね。
(実際会社の経理担当者は簿記3級以上持っていることが多い)

それから喫茶店とは言え、よりレベルの高い本格的な食事メニューを
提供したいというのであれば調理師の資格もあると便利です。

調理師の資格があると食品衛生責任者の資格は不要ですから、開業までに
時間的に余裕があるなら調理師の資格を取っておくのも良いかもしれないですね。

ただ簿記にしろ調理師の資格しろ、食品衛生責任者や防火管理者のように
1~2日講習を受けるだけで取れるものではありません。

簿記なら専門学校に3か月通ってようやく合格ラインに達するかといった感じですし、
調理師は1~2年専門学校に通うか、そうでなければ2年以上実務経験を積まないと
受験資格すら与えてもらえないんですね。

いずれも簡単に取れる資格ではありませんが、
それだけに持っていると喫茶店経営には大いに有利ですよ。

喫茶店開業に必要な届出

食品衛生責任者や防火管理者の資格を持っているからと言って、
それだけで今日から喫茶店が開業できるわけじゃありません。

喫茶店を開業するには、関係各所に様々な届出をしなければいけないんです。

まずは各自治体の保健所に「営業許可」の申請を行うんですが、喫茶店の場合
 ・飲食店営業許可
 ・喫茶店営業許可
のいずれかとなります。

「喫茶店営業許可」の場合は、お客さんに提供するのはあくまで飲料だけで、
食べ物は提供できません。

「お茶うけ」としての軽食やパスタなど食事メニューを提供する場合には、
喫茶店営業許可ではなく飲食店営業許可で申請しましょう。

ただし2つ以上のシンクや給湯設備が必要など、
飲食店営業許可の方が喫茶店営業許可よりも若干基準が厳しくなっています。

営業許可は店舗が完成する10日前までに
 ・営業許可申請書
 ・店舗やキッチンの図面
 ・食品衛生責任者の証明書
 ・申請料(10,000円程度)
などの書類を揃えて申請しなければいけません。

消防署への届出

保健所だけでなく、管轄の消防署にも
 ・防火管理者選任届
 ・防火対象物使用開始届
 ・火を使用する設備等の設置届
などを提出することになります。

「防火管理者選任届」は開業日までに管轄の消防署に提出すればOKで、
防火管理者の資格取得のところでも書いたように建物の収容人数が
30人未満の場合は提出する必要はありません。

「防火対象物使用開始届」は、
 ・防火対象物使用開始届出書
 ・店舗近隣の地図
 ・店舗の平面図、立体図、断面図
 ・建物の仕上表
などを開業日の7日前までに管轄の消防署に提出します。

店舗の内装工事を行っている場合には、
工事業者が代わりに防火対象物使用開始の届出を行ってくれることがあります。

「火を使用する設備等の設置届」は、
 ・ボイラーまたは70キロワットを超える給湯設備
 ・合計350キロワットを超える厨房設備
などを設置する前に提出する必要があります。

給湯設備や厨房設備のキロワット数なんて分からないこともあるでしょうから、
設備を設置してくれる業者に確認しましょう。

税務署・労基署・職安への届出

喫茶店開業に必要な届出はまだまだあり、開業から1か月以内に
「個人事業の開廃業等届出書」を税務署に提出しなければいけません。

個人事業主として青色申告するのであれば、個人事業の開廃業等の届出は必須です。

白色申告するなら不要とも言えるんですが、個人事業の開廃業等届出書を
提出しておくと青色・白色のどちらでも確定申告することができます。

提出しないと白色申告しかできませんし、先にも書いたように青色申告は税制面で
優遇されるので提出しておいた方が良いと思いますよ。

それから従業員を雇う場合には「労災保険」と「雇用保険」に加入しないといけません。

労災保険への加入は労働基準監督署に、
雇用保険への加入は公共職業安定所(ハローワーク)に従業員を雇用した翌日から
10日以内に申告しましょう。

もちろん喫茶店で働くのは自分1人で従業員ゼロなら、
労災保険も雇用保険も加入する必要はありませんよ。

また従業員1人につき
 ・1週間の労働時間が20時間未満
 ・継続した雇用期間が31日未満
の場合は、従業員が居ても雇用保険に加入しなくてもOKです。

夜12時以降にアルコールを提供するなら

喫茶店にはあまり関係無いかもしれませんが、夜12時以降にお客さんにお酒を
提供する場合には「深夜酒類提供飲食店営業開始届出書」の提出が必要となります。

管轄の警察署に開業の10日前までに届け出ないといけませんよ。

この届出はあくまで「夜12時以降」にお客さんにお酒を提供する場合に必要なだけで、
お酒を提供するのが夜12時までなら不要です。

また従業員がお客さんの隣に座ってお酌するなど接待行為を行う場合には、
「風俗営業許可申請」の提出が必要となります。
(営業開始の2か月前まで)

普通の喫茶店ならこれらの届出や申請は不要ですが、
昼は喫茶店夜はバーといったように昼夜で業態を変える場合には注意が必要ですよ。

このように喫茶店開業には様々な資格や届出が必要となっています。

どれか1つ欠けただけでも開業できなくなりますから、
1つとして取得や申請の忘れが無いようにしましょう。

取得や届出の時期が違ったりもするので、
チェックシートのようなものを作っておくのも良いかもしれませんね。

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